2014年 10月 10日
ズボンは取っ手ではありません!
昨日、ベテランの介護員さんですが、まったく研修を受けずに経験だけで介護を行ってこられたスタッフさんに介護技術研修に行ってきていただきました。
そのスタッフさんが帰ってくるなり息を切らして私にこう言いました。
「なあなあ、あんた言ってたけど、先生ズボンを持って持ち上げてください言ってたで!
ズボンをつかんだらあかんって誰が言ってたんですか?って逆に言われたで!」
と。
私は「は?」
いったいこの人は何を学んできたんだろう。
ズボンを引っ張り上げることに対するデメリットは大きい。
まずは、けつに食い込むし、とても恥ずかしい。
そして、引っ張るという動作自体が、何より介護される側、介護者する側への負担が大きいのだ。
方法論的には正解はないので、全てを否定するのではない。しかし、ベターな選択肢をする必要がある。
いったい誰が講師をしているのかと思い、見てみてびっくりした。
PTである。
なんで、介護の基本技術を教えるのに介護士ではなく医療スタッフの人なのか?
医療の介護技術は 介護の介護技術とは異なると私は考えている。
医療は治療を最優先に考えるためのトランスになる。
医療から見ればトランスは単なる手段であり、目的ではない。緊急時には一刻一秒を争うのだから、「快適なトランスは・・・」なんて言っていられないことは理解できる。
しかし、われわれ介護士は、トランス自体が快適な笑顔が出るものとしなければならないのではないかと考えている。
質の高い介護とは何かということを追及していくことが、介護技術を高め、われわれ介護士の地位をあげることにつながっていくと考えている。